布や木の輪、見立て遊び、友達との共同遊びをそれぞれ楽しむ0~6歳の子どもたち

子どもの発達

子どもの遊びはどう発達する?0~6歳の変化

乳児が布を握って感触を確かめることも、幼児が箱を電車に見立てることも、友達とルールを相談して遊ぶことも、子どもにとって大切な遊びです。

こうした遊びは、0歳から6歳までに少しずつ変化します。

ただし、「ひとり遊びを終えたら次は並行遊び」というように、一つの順番で進むわけではありません。
同じ子どもでも、その日の関心や相手、場所によって、ひとりで集中したり、友達と協力したりします。

この記事では、遊びの発達を年齢別の合格表にせず、身体、物、人、想像、ルールがどのように重なって変わるかを整理します。


この記事で分かること

  • 0~6歳の遊び方に見られる大まかな変化
  • 見立て遊び、ごっこ遊び、並行遊び、協同遊びの捉え方
  • 年齢の目安を発達判定にしないための注意点
  • 子どもの遊びを支える大人の関わり方

遊びの発達は「一つの階段」ではない

遊びの発達は、次の段階へ進むたびに以前の遊びが消える過程ではありません。

身体を動かす、物を試す、人とやり取りする、何かを別のものに見立てる、目的やルールを共有する。
こうした複数の変化が、互いに結びつきながら進みます。

たとえば、友達と複雑なごっこ遊びができる5歳児も、一人で砂を落とし続けたり、大人と追いかけっこをしたりします。乳児期から楽しんできた感覚や身体を使う遊びは、形を変えながら幼児期以降も続きます。

文部科学省の幼稚園教育要領も、幼児の発達は心身の諸側面が相互に関連し、多様な経過をたどるとしています。
遊びは、その子が環境に主体的に関わる活動として捉える必要があります。幼稚園教育要領

遊びの発達も、言葉・運動・感情・人との関係が結びついて進みます。

その結びつきを幼児教育の内容から読む視点が5領域です。

発達全体を捉える基本は、子どもの発達の基本でも整理しています。

0~6歳の遊びはどう変わる?

ここで示す年齢は、大まかな見通しです。遊ぶ環境、体の動かし方、興味をもつ物、人との関わりの経験によって、表れ方や時期には幅があります。

0~1歳頃:見る・触る・動かす・応答する

乳児期の遊びは、見る、聞く、触る、口へ運ぶ、振る、落とす、たたくといった探索と深く結びついています。
同じ動きを繰り返すことで、物の音、重さ、手触り、動き方を確かめています。

物だけでなく、人とのやり取りも遊びになります。大人が声や表情に応じ、乳児がまた声や動きで返すやり取りには、交互に関わる遊びの芽があります。
米国小児科学会の臨床報告も、乳児期の遊びとして養育者との相互的なやり取りや、物を探索する遊びを挙げています。The Power of Play

この時期に大切なのは、何かを「正しく」使えることではありません。
子どもが手、目、耳、口、全身を使って、物や人との関係を確かめていること自体が遊びです。

1~2歳頃:物の使い方から見立ての芽へ

1~2歳頃には、容器へ物を入れる、車を押す、スプーンを口元へ運ぶなど、物の特徴や普段の使い方に沿った遊びが広がります。

その一方で、空のコップから飲むまねをする、ぬいぐるみに食べさせるなど、目の前にはない出来事を表す遊びも少しずつ見られます。
これは象徴遊び、または見立て遊びと呼ばれる遊びの始まりです。

0~3歳頃の物を使う遊びをまとめたレビューでは、探索的な扱い、機能に沿った扱い、象徴的な扱いが、重なりながら複雑になる過程が整理されています。
ただし、各段階が現れる時期には個人差があり、前の扱い方が消えるわけではありません。

大人の行動をまねることも増えますが、まねの仕方や関心の対象は一人ひとり異なります。
生活でよく目にする行動や、家庭で使う道具によっても、遊びの内容は変わります。

2~3歳頃:そばで遊び、まね、短いごっこが広がる

2~3歳頃になると、ほかの子どもの近くで遊び、その動きを見たり、似た遊びを始めたりする姿が増えてきます。
同じ場所にいても、必ずしも同じ目的で遊んでいるとは限りません。

たとえば、隣の子と同じように車を走らせながら、それぞれ別のイメージで遊んでいることがあります。
これは単なる「関わりの不足」ではなく、相手の遊びに注意を向け、距離を調整する時間でもあります。

見立て遊びでは、ぬいぐるみに食事をさせる、自分が店員になるなど、短い行動や役がつながり始めます。
ただし、言葉の量や友達との遊びが急に揃うわけではなく、一人で繰り返す遊びと人とのやり取りが行き来します。

3~4歳頃:役・筋書き・つくる遊びがつながる

3~4歳頃には、物を別のものとして扱うだけでなく、役や簡単な筋書きをもつごっこ遊びが広がります。
「ここがお店」「私は店員」といったイメージを、言葉や動きで表すようになります。

積む、並べる、つなげるといった構成遊びにも、目的や物語が加わります。
作った物が家や乗り物になり、そこからごっこ遊びが始まることもあります。

走る、跳ぶ、追いかけるなどの身体遊びも活発になります。
身体遊びを扱ったレビューでは、全身を使う運動的な遊びは幼児期に多く見られる一方、その長期的な機能については確定していない点も残ると整理されています。Pellegrini & Smith, 1998

この時期の言葉・想像力・友達関係の広がりは、3歳児の発達で詳しく解説しています。

4~6歳頃:目的・役割・ルールを共有する

4~6歳頃には、友達と同じ目的をもち、役割や進め方を相談しながら遊ぶ姿が増えます。
作りたい物を話し合う、鬼ごっこのルールを変える、ごっこ遊びの役を調整するといったやり取りです。

遊びを続けるためには、自分の考えを伝えるだけでなく、相手の提案を聞き、折り合いをつける必要があります。
文部科学省は幼児期の協同性について、共通の目的に向けて考え、工夫し、協力する姿として示しています。
ただし、これは全員が同じ年齢に一斉に示す到達基準ではありません。幼稚園教育要領

ルールのある遊びができても、一人で絵を描いたり、物を並べたりする時間は続きます。集団で遊ぶ時間が長いほど、必ず発達が進んでいるという意味ではありません。

共通の目的や就学前に育つ力との関係は、5~6歳児の発達も参考になります。

ひとり遊び・並行遊び・協同遊びを一本道にしない

ひとり遊び、傍観、並行遊び、連合遊び、協同遊びという言葉は、Partenが1932年に発表した、就学前児の「社会的参加の仕方」の分類に由来します。Parten, 1932

この分類は、子どもがその場でほかの子どもとどう関わっているかを見る手がかりです。
しかし、身体遊び、物の扱い、想像力などを含む遊び全体の発達段階ではありません。

32~42か月の子ども41人を観察したBakemanとBrownleeの研究では、並行遊びは、ひとりでの遊びと集団での遊びの間をつなぐように現れる場合がありました。
並行遊びは、協同遊びができるまでの単なる未完成段階とは限りません。Bakeman & Brownlee, 1980

同じ子どもでも、初めての場所では周囲を見てから遊び、慣れた相手とはすぐに一緒に遊ぶことがあります。疲れている日には一人で落ち着くこともあります。
そのため、ある一場面だけで「段階が低い」「友達と遊べない」と判断することはできませ
ん。

ひとりで遊ぶ姿の見方は、ひとり遊びから協同遊びまでで詳しく整理しています。

研究から分かっていること、まだ分からないこと

比較的共通して示されていること

物を使う遊びでは、感覚的に確かめる扱いから、物の機能に沿った扱い、象徴的な扱いへと、行動が複雑になる大まかな傾向があります。

BelskyとMostは、7.5~21か月の乳児40人を10の月齢群に分けて観察し、月齢が上がるにつれて遊びの複雑さが増す傾向を報告しました。
ただし、異なる月齢の子どもを一時点で比べる横断研究であり、一人の子どもの変化を追った研究ではありません。

McCuneは8~24か月の子ども102人の横断観察と、10人の縦断観察から、表象的な遊びに大まかな順序があることを示しました。
一方で、各行動が現れる時期には重なりやばらつきもありました。

これらは、遊びにある程度の発達的変化があることを支持しますが、「この月齢なら必ずこの遊び」という境界を示すものではありません。

まだ十分に分かっていないこと

ごっこ遊びと、言葉、物語理解、感情調整などとの間には関連が報告されています。
しかし、103件の研究を検討したレビューは、ごっこ遊びがそれらの能力を独自に、直接高めるという強い因果結論には十分な証拠がないとしています。

よく遊ぶことで別の能力が伸びる可能性だけでなく、もともとの言葉や対人能力が遊びを豊かにする可能性、家庭環境など第三の要因が両方に関係する可能性があります。
「この遊びをすれば、この能力が伸びる」と単純化しないことが大切です。

また、遊びの素材、大人の関わり方、子どもだけで遊ぶ機会は、家庭や文化によって異なります。
物を使う遊びのレビューでも、養育者の参加や物の使い方には文化的な違いがあると指摘されています。L

海外の少人数観察研究や古い分類は、日本の子どもにも参考になる枠組みですが、そのまま年齢基準にはできません。
日本の公的資料が示すように、一人ひとりの生活経験と多様な発達経過を踏まえて読む必要があります。

子どもの遊びを見る5つの手がかり

年齢別の遊びができているかを数えるより、次の5つを時間の経過の中で見ると、その子なりの変化を捉えやすくなります。

  1. 何に関心を向けているか
    音、動き、手触り、人の行動、物語など、繰り返し確かめているものを見ます。
  2. 身体や物をどう使っているか
    振る、落とす、運ぶ、並べる、組み合わせる、別の物に見立てるなど、使い方の広がりを見ます。
  3. 遊びがどうつながっているか
    一つの動作を繰り返すだけでなく、複数の行動やイメージがつながっているかを見ます。
  4. 人とどの距離で遊んでいるか
    一人で集中する、近くで見る、まねる、物をやり取りする、目的を共有するといった違いを見ます。
  5. 環境によって姿がどう変わるか
    家と園、慣れた相手と初対面の相手、少人数と大人数での違いを見ます。

一度の観察ですべてを判断する必要はありません。「前より長く試すようになった」「友達の遊びをよく見るようになった」といった小さな変化も、遊びの育ちです。

人との関わりに焦点を当てて見る場合は、社会性の発達もあわせてご覧ください。

大人にできるのは「次の段階へ進ませること」ではない

安全に試せる時間と環境を整える

子どもの遊びを支える基本は、特定の高価な玩具を与えることではありません。
布、容器、紙、自然物など、年齢に合った安全な素材と、途中で急かされず試せる時間が助けになります。

厚生労働省の保育所保育指針も、子どもが身近な環境へ関わり、発見や試行錯誤を楽しめるように環境を整えることを重視しています。保育所保育指針

同じ遊びを何度も繰り返すときは、子どもが何を確かめているのか少し待って見てみましょう。
大人には同じに見えても、速さ、置き方、音、相手の反応を変えていることがあります。

子どもが始めた遊びへ応答する

大人が加わるときは、すぐに正しい方法を教えるより、子どもの動きをまねる、起きたことを短く言葉にする、参加してよいか待つといった関わりができます。

「丸いのが転がったね」「次はどこへ行くのかな」と応じることで、主導権を子どもに残しながら、やり取りを続けられます。
子どもが一人で集中しているときは、無理に会話や共同遊びへ変えず、近くで見守ることも支援です。

遊びを評価や訓練に変えない

遊びには、目的を決めずに試すことや、途中で変えること、うまくいかずにやり直すことが含まれます。

「次はごっこ遊びをさせなければ」「同じ年齢の子と遊ばせなければ」と急ぐ必要はありません。
大人が期待する成果へ誘導しすぎると、子ども自身の関心から離れてしまうことがあります。

遊びの発達を見る目的は、子どもを段階へ当てはめることではなく、今どんなことに心を動かし、何を試しているかを理解することです。

まとめ

0~6歳の遊びは、感覚や身体を使う探索から、物の機能に沿った遊び、見立て・ごっこ遊び、目的やルールを共有する遊びへと広がります。

ただし、それは一方向の階段ではありません。
幼児になっても感覚遊びやひとり遊びは続き、同じ子どもが場面によって複数の遊び方を行き来します。

年齢は大まかな見通しとして使い、できる・できないの判定にはしないことが大切です。
遊びの名前を当てるより、子どもが何に関心をもち、どのように試し、人や物との関係を変えているかを見ると、その子なりの育ちを読み取りやすくなります。

参考文献一覧

にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ
にほんブログ村 子育てブログへ
ブログランキング・にほんブログ村へ

-子どもの発達
-, , , , , ,