SORA

同じ数の木製チップを異なる間隔で並べ、見比べながら考える幼児2人のクレヨン画

子どもの発達

2026/8/30

子どもの考え方はどう変わる?ピアジェの認知発達理論を現在の研究から読み直す

子どもは、いつから「見えなくなっても物はそこにある」と分かるのでしょうか。なぜ同じ数のおはじきでも、間を広げると「増えた」と答えることがあるのでしょうか。 こうした子どもの考え方の変化を、行動や対話から丁寧に捉えようとしたのが、スイスの心理学者ジャン・ピアジェです。ピアジェの認知発達理論は、現在も発達心理学や保育・教育で取り上げられます。一方、後の研究では、子どもが理解を示す年齢や、発達が段階的に進むという考え方に多くの修正が加えられてきました。 大切なのは、4つの段階を子どもの「合格・不合格」に使うこと ...

園庭でリボンを風になびかせ、落ち葉や花を並べながら友達と遊ぶ幼児たちのクレヨン画

幼児教育・学び

2026/8/30

幼児教育の「5領域」とは?健康・人間関係・環境・言葉・表現はどうつながる?

園で子どもたちが、落ち葉を集めて並べたり、風に揺れるリボンを追いかけたり、友達と相談しながら遊び方を変えたりしているとします。 この一つの場面には、身体を動かすこと、人と関わること、自然に気づくこと、言葉で伝えること、感じたことを表すことが重なっています。 幼児教育の「5領域」は、こうした育ちを「健康・人間関係・環境・言葉・表現」という五つの視点から捉える枠組みです。 ただし、5領域は小学校の教科のように、五つを別々に教えるものではありません。子どもが5項目を達成できたか調べる評価表でもありません。 この ...

玄関先で保護者の手に触れて安心を確かめ、花の咲く庭へ一歩踏み出す幼い子どものクレヨン画

人間関係・社会性

2026/8/29

愛着とは?子どもが安心できる関係はどのように育つのか

「抱っこすると落ち着く」「離れると泣く」「園では平気なのに、家では甘える」。こうした姿を見て、愛着が強い、弱い、足りないと考えたことがあるかもしれません。 けれども、発達研究でいうアタッチメント(愛着)は、愛情の量や、いつも大人にくっついている状態を表す言葉ではありません。 子どもが不安や苦痛を感じたとき、身近な大人に近づいて安心を得ようとする関係のしくみです。安心できると、子どもは再び周囲を見たり、遊んだり、試したりしやすくなります。 この記事では、0~6歳の愛着を「安心して戻れること」と「安心して離れ ...

保育所の玄関で保育者が幼児の上着を手伝い、別の幼児が雨上がりのカタツムリに気づくクレヨン画

幼児教育・学び

2026/8/29

保育所保育指針とは?「養護と教育」を子どもの育ちから読みとく

保育園の連絡帳に「今日は自分で上着を着ようとしていました」「雨上がりの園庭でカタツムリを見つけました」と書かれていたら、そこにはどのような育ちがあるのでしょうか。 着替えを手伝うことは「お世話」、カタツムリを観察することは「教育」と、別々に見えるかもしれません。 しかし、保育所保育指針が示す保育では、安心して生活するための援助と、世界へ関わりながら育つための援助は切り離されていません。 この記事では、保育所保育指針の「養護と教育を一体的に行う」という考え方を、子どもの日常の姿から読みときます。 この記事で ...

ボードゲームに負けて涙ぐみながら駒を持つ子どもと、静かに駒を片付ける友達のクレヨン画

感情・行動

2026/8/29

子どもが負けると泣くのはなぜ?

ゲームに負けた途端、涙があふれる。駒を戻されると「もう一回」と言い、結果を変えようとする。友達に負けたときだけ、いつもより激しく悔しがる。 こうした姿を見ると、「負けず嫌いが強すぎるのでは」「甘やかしてきたから?」と心配になることがあります。 けれども、負けて泣くことだけで、子どもの性格や育て方を判断することはできません。負ける場面では、勝ちたいという目標、変えられない結果、自分と相手の比較、強い感情の中で行動を調整する難しさなどが重なっています。 この記事では、2~6歳ごろの子どもが負けると泣く理由と、 ...

夕方の部屋でカーテンを開き、木の枝と壁の影を見比べる4歳ごろの子どものクレヨン画

感情・行動

2026/8/29

子どもの怖がりは心配?不安や恐怖の発達

暗い部屋に入りたがらない、虫を見ると泣く、病院の前で動けなくなる。 昨日までは平気だったものを、急に怖がることもあります。 そんな姿を見ると、「怖がりすぎではないか」「対応の仕方が悪かったのでは」と心配になるかもしれません。しかし、怖さは危険を避け、安全を確かめるために備わった反応です。 怖がること自体が、弱さや発達上の問題を意味するわけではありません。 大切なのは、何を怖がったかだけでなく、怖さの強さや続き方、落ち着くまでの様子、生活への影響を一緒に見ることです。 この記事では、1~6歳ごろの不安や恐怖 ...

保育園の玄関で保護者に手を振り、保育者に迎えられる3歳ごろの子どものクレヨン画

感情・行動

2026/8/28

子どもの母子分離不安はなぜ起こる?

保育園の玄関で保護者にしがみつく。少し姿が見えなくなるだけで泣く。離れられない様子が続くと、「育て方に問題があったのでは」「いつまで続くのだろう」と心配になるかもしれません。 子どもが信頼する大人と離れることに不安を感じるのは、乳幼児期によく見られる反応です。ただし、現れ方や落ち着くまでの経過には大きな個人差があります。 大切なのは、泣くかどうかだけで判断することではありません。別れた後に別の大人の支えを受け入れられるか、少しずつ遊びや食事へ戻れるか、生活全体への影響が強くなっていないかを見ていきます。 ...

タブレット越しの祖母に赤いりんごを見せ、母親と一緒に言葉のやりとりを楽しむ4~5歳の子どものクレヨン画

最新研究・ニュース

2026/8/28

幼児期の二言語教育について最新研究が示していること

「幼いころから二つの言語に触れると、言葉が遅れるのでは」「日本語と英語が混ざるのは、頭の中が混乱しているから?」「バイリンガルになると、考える力も高まる?」。 幼児期の二言語をめぐっては、心配と期待の両方が語られます。しかし、研究が示しているのは、単純な「よい・悪い」ではありません。 2025年に公表された包括的なレビューは、二言語の育ち方が、子ども自身の発達だけでなく、どの言語を、誰と、どのくらい、どのような場面で使うか、園や学校、地域社会がその言語をどう支えるかによって変わると整理しました。 この記事 ...

絵カードを使って英語で伝え合い、タブレットで音声を聞き直す小学生4人のクレヨン画

最新研究・ニュース

2026/8/28

小学校英語はどう変わる?外国語WGの検討状況

小学校の英語が、次の学習指導要領で変わろうとしています。 「英語は1年生から始まるの?」「覚える単語がさらに増える?」「AIを使って会話を練習するようになる?」と気になる方もいるでしょう。 2026年8月3日、文部科学省は中央教育審議会の外国語ワーキンググループがまとめた「取りまとめ(案)※会議後修正」を公表しました。 そこには、小学校から中学校へ英語の学びをつなぐ方法、語彙や学習内容の難しさ、デジタル・AIの活用、評価の整理など、今後の方向が示されています。 ただし、これは新しい学習指導要領そのものでは ...

動物の英語絵本を開き、歌いながら同じ手の動きを楽しむ4歳頃の子どもと保護者のクレヨン画

幼児教育・学び

2026/8/28

英語絵本・歌・語りかけにはどんな役割がある?

英語の絵本を読んだり、英語の歌を流したり、日常の中で短い英語を話しかけたりすると、幼児期の子どもにどのような意味があるのでしょうか。 「早く始めれば英語が得意になる?」「歌は聞き流すだけでもよい?」「発音に自信がない親が読んでも大丈夫?」と迷う人もいるでしょう。 英語絵本、歌、語りかけは、どれも子どもが英語に出会うきっかけになります。ただし、同じ働きをするものではありません。また、触れる時間を増やせば、自動的に英語を話せるようになるわけでもありません。 この記事では、三つの活動がそれぞれどのような経験をつ ...

日本語と英語の絵カードや人形を使い、父親と先生と一緒に言葉のやりとりを楽しむ4歳ごろの子どものクレヨン画

幼児教育・学び

2026/8/27

英語を早く始めると日本語の発達に影響する?

幼児期から英語に触れさせたいと思う一方で、「日本語が遅れないだろうか」「二つの言語が混ざって、子どもが混乱しないだろうか」と心配になることがあります。 この疑問は、「英語を始めたか、始めていないか」だけでは答えられません。週に一度、歌や絵本で英語を楽しむことと、園生活の多くを英語で過ごすことでは、子どもの言語環境が大きく異なるからです。 この記事では、海外の二言語研究と、日本の幼児を対象にした科研費研究をもとに、分かっていることと、まだ分かっていないことを分けて整理します。年齢や語彙数を合否判定にせず、家 ...

幼児の英語は聞き流しだけで身につく?研究から分かる効果と限界

幼児教育・学び

2026/8/25

幼児の英語は聞き流しだけで身につく?

英語の歌や物語を、遊んでいる子どものそばで流しておく「聞き流し」や「かけ流し」。 家庭で取り入れやすいため、「毎日続ければ自然に英語が分かるようになるのでは」「話せるようになる前に、まず耳を育てたい」と考えることもあるでしょう。 ただし、「英語が身につく」という言葉には、英語の音に気づくこと、言葉の意味が分かること、覚えた表現を使うこと、相手と会話を続けることなど、異なる力が含まれています。 これらを分けずに、聞き流しは「効果がある」「効果がない」と決めることはできません。 英語を聞く経験は学びの材料にな ...

紙コップ電話で言葉のやりとりを楽しむ4~6歳ごろの子ども二人のクレヨン画

幼児教育・学び

2026/8/27

早期英語教育は何歳から?開始年齢を研究から考える

「英語は早く始めた方が身につく」「3歳を過ぎると遅い」と聞くと、今すぐ始めなければと焦るかもしれません。 一方で、日本語の育ちや、遊ぶ時間への影響が気になるという方もいるでしょう。 研究をたどっても、当然のことながら、すべての子どもに共通する「最適な開始年齢」は確認されていません。 乳児は周囲の言葉の音を徐々に学び始めていますが、早く始めるだけで、その後の英語力が決まるわけでもありません。 大切なのは、何歳から始めるかだけでなく、どのような目的で、どれほど英語に触れ、誰とどのようにやりとりし、無理なく続け ...

タブレットの丸印を見ながら木の実を小皿に分ける幼児と保護者のクレヨン画

最新研究・ニュース

2026/8/23

教育アプリは幼児の文字・数の学びに役立つ?

「ひらがなや数に興味をもってほしい」「遊びながら学べるなら、教育アプリを使ってみたい」と考える家庭は少なくありません。 一方で、画面を見せる時間が増えることや、本当に学びにつながるのかが気になることもあるでしょう。 研究をまとめて確認すると、内容のよい教育アプリは、幼児の文字や数の学びを支えることがあります。 ただし、教育アプリを使えば、どの子も大きく伸びるという意味ではありません。「教育用」と表示されているだけでは、内容のよさも保証されません。 大切なのは、アプリを学びの中心にするのではなく、会話や絵本 ...

ごっこ遊びで果物の数を確かめたり、絵のメニューを描いたりする幼児

幼児教育・学び

2026/8/23

幼児期の文字・数への関心をどう育てる?

「周りの子は、もうひらがなを書いている」「数字にあまり興味を示さないけれど、このままでよいのだろうか」と気になることがあります。 けれども、幼児期の文字や数への関心は、ひらがなを何文字読めるか、いくつまで数えられるかだけでは分かりません。 自分の名前を見つけて喜ぶ。店の看板のようなものを描く。おやつを友達と同じ数ずつ分けようとする。積み木の高さや、どちらが多いかを比べる。 こうした姿も、文字や数の役割に気づき始めている表れです。 3~6歳頃は、関心の向き方にも、できるようになる時期にも大きな個人差がありま ...

遊びの中で順番を待ったり積み木の組み方を考え直したりする幼児たちを描いた温かなクレヨン画

子どもの発達

2026/8/30

実行機能とは?考える・待つ・切り替える力の育ち

「待ってね」と言われても、すぐに手が伸びる。片付けを始めようとしても、途中で別の物に気を取られる。いつもと違うやり方になると、なかなか次へ進めない。 こうした子どもの姿には、「実行機能」と呼ばれる働きが関係することがあります。 実行機能という言葉から、「我慢する力」「自分をコントロールする力」を思い浮かべる人もいるでしょう。 けれども、実行機能は単に欲求を我慢するための力ではありません。 目標に向かうために、必要な情報を頭に置き、今しようとしている反応をいったん止め、状況に合わせて考え方や行動を変えるとき ...

水路を工夫しながら友達や保育者と遊びを深める幼児たちのクレヨン画

最新研究・ニュース

2026/8/29

次期学習指導要領で幼児教育はどう変わる?

2026年8月、次の教育課程改訂に向けた幼児教育の「取りまとめ案」が公表されました。「遊びより勉強が増えるの?」「10の姿で子どもが評価されるの?」と気になる方もいるかもしれません。 結論からいうと、現在の案は幼児教育を早期の教科学習へ変えるものではありません。子どもが環境に関わり、試し、考え、友達とやり取りする遊びを、より深い学びにつなげる方向です。 一方、これは最終決定ではなく、今後の答申や告示で内容が変わる可能性があります。 この記事では、文部科学省とこども家庭庁の公表資料を基に、2026年8月23 ...

布や木の輪、見立て遊び、友達との共同遊びをそれぞれ楽しむ0~6歳の子どもたち

子どもの発達

2026/8/30

子どもの遊びはどう発達する?0~6歳の変化

乳児が布を握って感触を確かめることも、幼児が箱を電車に見立てることも、友達とルールを相談して遊ぶことも、子どもにとって大切な遊びです。 こうした遊びは、0歳から6歳までに少しずつ変化します。 ただし、「ひとり遊びを終えたら次は並行遊び」というように、一つの順番で進むわけではありません。同じ子どもでも、その日の関心や相手、場所によって、ひとりで集中したり、友達と協力したりします。 この記事では、遊びの発達を年齢別の合格表にせず、身体、物、人、想像、ルールがどのように重なって変わるかを整理します。 この記事で ...

開いた絵本を囲み、指さしや身振り、会話で伝え合う0~5歳の子どもたちのクレヨン画

子どもの発達

2026/8/30

子どもの言葉はどう育つ?0~6歳の言語発達

「同じ年の子はもう話しているのに」「単語はいくつ出ていればいいの?」と、子どもの言葉が気になることは珍しくありません。 ただ、言葉は最初の一語から突然始まるものではありません。声に気づく、顔を見る、指さしに視線を向ける、身振りで伝える、相手の話を聞く。 こうしたやりとりが重なり、話し言葉や会話へつながっていきます。 この記事では、0~6歳の言葉の育ちを年齢ごとの大まかな流れに沿って見ていきます。 年齢は合否を分ける基準ではなく、今の姿を読みとくための目安です。単語数だけでは見えにくい「理解する力」「伝えよ ...

積み木の橋を作り、球を転がして試しながら考えを伝え合う幼児二人を、大人が穏やかに見守るクレヨン画

幼児教育・学び

2026/8/30

「遊び」と「学び」はどうつながっている?

「遊んでいるだけで、本当に学んでいるのだろうか」 子どもが同じ積み木を何度も積み直したり、砂と水を混ぜ続けたり、ごっこの設定を友達と相談したりする姿は、大人の目には遠回りに見えることがあります。けれども、その過程では、子どもが自分なりの目的をもち、物や人へ働きかけ、返ってきた反応を受け取り、次の方法を考えています。 遊びと学びは、片方を選ぶ関係ではありません。ただし、「遊びなら何でも、あらゆる力が伸びる」と言い切ることもできません。どのような遊びで、どのような学びが生まれるかは、子どもの関心や経験、相手、 ...

積み木や自然素材で町を作りながら試し、話し合う幼児と、そばで見守る大人のクレヨン画

幼児教育・学び

2026/8/30

幼児期の学びとは?遊び・生活・教育のつながりを研究から考える

「幼児期の学び」と聞くと、文字や数を覚えること、机に向かって課題に取り組むことを思い浮かべるかもしれません。 一方、園で夢中になって遊ぶ子どもの姿を見て、「遊んでいるだけで、きちんと学べているのだろうか」と感じることもあるでしょう。 幼児期の遊びと学びは、対立するものではありません。 子どもは、物に触れる、人のまねをする、何度も試す、違いに気づく、友達と相談する、うまくいかなければ方法を変えるといった経験を重ねながら、周囲の世界を理解していきます。 幼児期の教育とは、大人が答えを一方的に教えることだけでは ...

滑り台の順番を示す色付きの印に並び、大人に見守られながら待つ子どもたち

人間関係・社会性

2026/8/23

子どもが順番を待てないのはなぜ?ルールを理解する力の育ち

公園の滑り台で前の子を追い越す。使いたいおもちゃに手を伸ばし、「順番だよ」と伝えると泣いたり怒ったりする。 そんな姿を見ると、「何度も教えているのに、どうして待てないのだろう」と感じることがあるかもしれません。周囲の目がある場所では、保護者や保育者が焦ってしまうこともあります。 けれども、順番を待つことは、ルールを一つ覚えればできる単純な行動ではありません。 使いたい気持ちをいったん止めること、自分が誰の次なのかを覚えておくこと、待ち時間の終わりを予測すること、気持ちを調整することなど、いくつもの力が関わ ...

積み木で一人遊びを楽しむ子と、近くで穏やかに遊ぶ子どもたちのクレヨン画

人間関係・社会性

2026/8/22

子どもが友達と遊ばないのは心配?ひとり遊びから協同遊びまで

園や公園で、ほかの子どもたちが一緒に遊ぶなか、自分の子どもだけが一人で遊んでいる。そんな姿を見ると、「友達がいないのでは」「社会性が育っていないのでは」と心配になることがあります。 けれども、一人で遊んでいるという事実だけでは、その子が困っているのか、友達を必要としていないのか、関わりたいけれど入れないのかは分かりません。大切なのは、遊びの形だけでなく、そのときの表情や遊びの内容、周囲への関心、場面による違いまで含めて見ることです。 この記事では、ひとり遊びから協同遊びまでの違いを整理しながら、子どもの姿 ...

木の電車で遊ぶ子どもと、順番を待つ子どもを大人が砂時計やカードで支える様子

人間関係・社会性

2026/8/22

子どもがおもちゃを貸せないのはわがまま?共有する力の発達

友達に「貸して」と言われても、おもちゃを抱え込む。大人が「どうぞしようね」と促すと、ますます手放せなくなる。 そんな姿を見ると、「わがままなのでは」「人に優しくできないのでは」と心配になるかもしれません。 けれども、おもちゃを貸すことは、単に優しい気持ちがあるかどうかだけで決まる行動ではありません。 自分のものと相手のものを理解すること、遊びをいったん止めること、順番を待つこと、相手の希望に気づくこと、言葉でやり取りすることなど、いくつもの力が関わります。 一度貸せなかった場面だけを切り取って、その子の性 ...

保育室で一人遊び、並行遊び、共同遊びをする子どもたちを大人が見守る

人間関係・社会性

2026/8/22

子どもの社会性はどう育つ?0歳から6歳までの発達の流れ

「いつも一人で遊んでいる」「おもちゃを貸せない」「友達とのけんかが多い」そんな姿を見ると、社会性が育っていないのではないかと心配になることがあります。 けれども、子どもの社会性は、友達の人数や集団行動の上手さだけで判断できるものではありません。安心できる大人と気持ちを通わせること、自分の思いを表すこと、相手の存在に気づくこと、遊びやルールを共有することなど、いくつもの力が重なりながら育っていきます。 この記事では、0歳から6歳までに見られる社会性の育ちを、研究と公的資料をもとに整理します。年齢はあくまでお ...

気持ちを整えようとする子どもを、少し離れて穏やかに見守る大人

感情・行動

2026/8/29

子どもの感情調整はどのように育つ?自分で落ち着けるようになるまで

泣き止めない、怒って物を投げる、嫌なことがあるとその場から動けない――。 そんな姿が続くと、「いつになったら自分で気持ちを落ち着けられるのだろう」と心配になることがあります。 けれども、乳幼児期の感情調整は、最初から一人で行うものではありません。 身近な大人に抱かれる、気持ちを受け止めてもらう、少し待ってもらうといった経験を重ねながら、子どもは自分に合う整え方を少しずつ増やしていきます。 この記事では、0~6歳ごろの感情調整がどのように育つのかを、共同調整、言葉、注意、実行機能に関する研究から読みときます ...

感情・行動

2026/8/22

『わがまま』と自己主張は何が違う?子どもの育ちから考える

「まだ遊びたい」 「自分でやる」 「それは嫌」 子どもが強く要求したり、大人の言うことを拒んだりすると、「これは自己主張として受け止めたほうがいいのか、それともわがままなのか」と迷うことがあります。 子どもの思いを大切にしたい一方で、何でも要求どおりにしてよいわけではありません。周囲への影響や生活上のルールも気になります。 ただし、「わがまま」と自己主張の間には、誰にでも当てはまる明確な境界線があるわけではありません。同じ「嫌」という言葉でも、その背景や表し方、子どもの発達段階、置かれている状況によって意 ...

感情・行動

2026/8/23

子どもが気持ちを切り替えられないのはなぜ?発達と環境から考える

「もうおしまいだよ」と伝えても、遊びをやめない。 出かける時間になっても動かず、声をかけるほど泣いたり怒ったりする。保育の場でも、自由遊びから片付け、園庭から室内、昼食から午睡など、活動が変わるたびに時間がかかる子どもがいます。 こうした姿を見ると、「分かっているのに言うことを聞かない」「わがままで切り替えられない」と感じることがあるかもしれません。しかし、活動を切り替えるには、今していることから注意を外し、次にすることを思い出し、行動を止め、気持ちを整え、新しい行動を始める必要があります。 幼い子どもに ...

おもちゃをめぐる子ども同士の衝突で、双方の安全を確保する大人

感情・行動

2026/8/23

子どもが友達を叩くのはなぜ?行動の背景と大人が考えたいこと

子どもが友達を叩いたと聞くと、「乱暴な子になってしまうのでは」「しつけが足りないと思われるかもしれない」と不安になることがあります。 もちろん、叩く行動をそのままにしてよいわけではありません。まず必要なのは、叩かれた子の安全を守り、行動を止めることです。 一方で、叩いたという一つの行動だけを見て、その子を「乱暴な子」「意地悪な子」と決めつけても、行動の背景は見えてきません。 幼児期の子どもが友達を叩く背景には、欲しい物や場所をめぐる衝突、強い怒りや悔しさ、言葉にすることの難しさ、遊び方のずれ、疲れや環境の ...

癇癪を起こして泣く幼児のそばで、落ち着いて安全を見守る大人のクレヨン画

感情・行動

2026/8/28

子どもの癇癪はなぜ起こる?発達から考える理由と関わり方

「まだ遊びたい」 「自分でやりたい」 「それは嫌だ」 子どもの要求が通らなかったとき、激しく泣いたり、叫んだり、床に寝転んだりすることがあります。物を投げる、周りの人を叩くといった行動が加わることもあります。 何を言っても届かないように見えると、大人は「どうしたら泣き止むのだろう」「対応を間違えたのではないか」と戸惑います。人の目がある場所では、早く収めなければならないという焦りも生まれます。 しかし、癇癪は一つの原因だけで起こるものではありません。自分の意思が育つ一方で、強い感情を言葉にしたり、気持ちを ...